LCA日本フォーラム主催の第3回LCA日本フォーラムセミナーが名古屋で行われました。約100名の参加があったこのセミナーは、COP10のパートナーシップ事業として承認されており、今回は「生物多様性とLCA」というテーマでした。
第2期LCA国家プロジェクトを通じて、環境評価に活用することができるLIME2という手法が開発され、JGTOは「はじめの第一歩!」プロジェクトが、どのような形で生物多様性保全に効果を生み出しているかを東京都市大学 伊坪准教授と電通総研 比留間氏の協力のもと、この手法を使って実証実験を行っています。
国際社会に目を向けると、生物多様性については、ミレニアム生態系評価やTEEBレポートといった定量的な評価が行われ、これらの成果が国際的な環境政策に反映されつつあります。発展途上国では水問題が深刻化しており、レアメタルなどの資源問題は、多国間の紛争の引き金になっています。
包括的な視点からみた環境影響評価の実践に対する必要性は以前より増してきている中で、製造業だけでなく、イベント業も考えていかねばなりません。
今回は、中間発表という形ですが「ゴルフと生物多様性」というテーマで事例紹介を行いました。
ゴルフというスポーツは、生物の棲息環境を人の手で改変することで可能になるスポーツであり、プレーしながら観戦しながら木々や生き物に触れあえることもできます。人為の加わったのちに、生物の与えてくれる有形・無形の恩恵を感知する場とも言えましょう。このことからも、ゴルフは「人と生物との関わり」を主題化するのにふさわしいスポーツかもしれません。
現在、「はじめの第一歩!」事業の「ゴルフの森」において、「生態系オフセット」とみなした場合、①効果はどう測定されるのか? ②その効果はおおよそどのくらいか? ③この2つを試行する中で、そもそも「ゴルフの森」事業を「生態系オフセット」とみなすことの意義と限界は、どう見えるか?をリサーチクエスチョンとしています。
次にLCAとCVMという2つの評価手法でアプローチしています。算定結果までもう少し時間がかかりますが、関係者の協力のもと取り組んでいます。
今回の主催ご担当者によれば、「もともとは製造業を中心としたセミナーですが、今回のゴルフツアー機構様のように、イベントに対しての環境評価を講演されるのは、初めての試みで、大変意義深い講演でした」とのこと。
今後JGTOとしては、算定評価が出た時点で、「はじめの第一歩!」に協力していただいている主催者や関係者に対し、例えば集まったチャリティ金がどのような効果が見られたかなどを報告していく予定です。
そして最後に、我々はLCAを研究している大学機関等が、様々な事例の研究成果の積み重ねによって、世界のLCA学会でも日本がイニシアチブを取れるように微力ながら協力したいとも考えています。